はじめに…
実生(みしょう)とは…?
タネから発芽したばかりの植物のことです。また、タネまきから成長させる行為自体も”実生する”といったりします。
実生の魅力はなんといっても、成長過程を間近でみれることです。発芽した時の喜びはひとしおです。そして、小さな粒のような苗から刺や毛が生えてきて、しだいに各種類の特徴をだしはじめた時は、その種(しゅ)をより一層深く理解することができます。
発芽した喜びや、成長過程をみることができるのは”実生をする人”だけのものです。

普段購入できないような種類もタネなら手に入る場合もあるよ!
確かに成長には時間はかかるけど、その種を理解したかったら一番手っ取り早いとおもうなぁ。。
参考資料


著者 山本 規詔(やまもと のりあき)さん
去年もそうですが、今年も【「カクタスハンドブック 原種サボテンを楽しむ」双葉社】に記載されている方法を参考にさせてもらいました! とても理にかなっている方法で、ハードルもそんな高くないので初めての実生にはピッタリだと個人的には感じています。 ただ栽培環境、日常生活が違うのでそこは臨機応変に対応します! サボテンのことがギュッと凝縮された本なので、是非是非一冊手元に置いておかれることをお勧めします!
今年の目標と去年の反省。



実生(みしょう)!! 去年は時期が早すぎて芽が出なかったり、夏の暑さで溶けたり、台風で飛ばされたりで仏塔、天武と自家受粉のホリダ✖️オベサしか育たなかったので、今年こそは発芽率を上げたい!!
去年の反省
・時期が早すぎた!(確か4月中旬)
・臨機応変さがたりなかった。
対策
・ 昼間はベランダで光を浴びせ温度を上げる。夜はまだ温度が低いので、部屋に取り込む。
・観察をおこたらない!



去年と今年の比較について詳しくは、実生Vol.1【スクスク育ってる編】の成長比較・考察に書きましたので、気になる方は併せてご覧ください!


大まかな手順
まずは大まかな流れを説明します。2パターンありますが、今回はパターン1をおこないます!
④までは概ねパターン1もパターン2も同じ作業内容です。
パターン2は、本そのままのやりかたです(パターン2もどこかでやりたいと考えてます…)。
⑥以降は日常管理の話になるので、とりあえず⑥以降はすっ飛ばしても大丈夫です!



パターン1は、あまり、家にいないor常に観察できない方にオススメ!
腰水で日常管理します。BOXに3日に1度程度水をたせればOKです!(腰水はあとで説明します。)



パターン2は、家にいるor観察できる方にオススメ!
また、霧状のような繊細な水やりができるタイプのジョウロをお持ちの方。
-パターン1・2の説明-
①タネ注文(ネットで買えます)。
↓(タネを2週間程度冷蔵保存。冷蔵保存した方が発芽率がいいらしい。。)
②タネの下準備。
↓
③土の準備。
↓
④タネまき。
↓(こっからパターン1とパターン2に分かれます。)
⑤ベンレートorホーマイ(殺菌剤)で殺菌。
ーーーーーーーー以下日常管理↓ーーーーーーーーー
⑥腰水管理。
⑦苗が大きくなってきたら、腰水卒業。ジョウロで水やりに変更。(置き場は朝の数時間日が当たる場所。水やりは、草花同様、乾き始めたらジョウロで頭からかける。)
⑤3~5mmに粒を揃えた粗砂を培養土が隠れる程度被せる。
⑥ベンレートorホーマイ(殺菌剤)で殺菌。
ーーーーーーーー以下日常管理↓ーーーーーーーーー
⑦置き場は朝の数時間日が当たる場所。水やりは、草花同様、乾き始めたら目の細かいジョウロで頭からかける。
実生をしてみよう!!
- まきたいタネ。
- 土2種類。(1.種まき用の土。2.いつも使っている土。)
- 種をまく鉢。(カップに底穴開けたものでもOK。)
- 腰水BOX(鉢より一回り大きい容器。鉢が複数の場合全部入るもの。できれば蓋付き。)。
- ベンレートorホーマイ(殺菌剤)今回はベンレート使用。
- 1ℓ測れる容器。(使い捨てしてもいい容器。)
- ピンセット
- チャック付きポリ袋。
- スポイド。
- ザル(茶漉し。果実の場合。)



はい!早速よくわからないのね。
腰水とは?
腰水BOXとはなんなの?



はい!腰水とは鉢底から水を吸収させる方法のことです!
通常水やりする時は、ジョウロなどを使って頭から植物に水をかけ、水やりするけど、腰水はトレーなどに水をはって鉢底から水を吸収させて水分を補給させるんです!
腰水BOXとは…写真の透明トレーのことをさしています!
タネをまいた鉢より一回り大きい容器を用意。
できれば蓋付き!ラップでも蓋の代わりにはなります!
ROCK PLANTSは透明の収納BOX使用してます。


①タネ注文
ということで早速、種を注文。
今回は、あるびの精肉店さん、多肉植物ワールドさんで注文しました。どちらのお店も丁寧に梱包されていてとても良かったです!下に情報を貼っておくので気になった方は覗いてみてください。
※あるびの精肉店さんはお肉屋さんではなく多肉植物・サボテン・種子販売専門のネット販売店です。
①-1タネ到着。




-タネ購入リスト-
- copiapoa chanaralensis(コピアポア)
- copiapoa gigantea(コピアポア・ギガンティア)
- Leuchtenbergia principis(レウクテンベルギア・プリンキピス)
- Agave macrocantha(アガベ・マクロカンサ)
- Agave mix(アガベいろいろ)
↓
この5種類は種まきまで、冷蔵保存しておくのと常温保存しておくの半々にわけて発芽率を見てみることにしました。
冷蔵保蔵は2週間程度。(タネ到着後2週間程度なら、冷蔵保存しなくても発芽率はあまり変わらない。(後述))
・Thelocactus nidulans(テロカクタス・ニデュランス/和名:鶴巣丸)
・Thelocactus rinconesis(テロカクタス・リンコネシス )
・Dioscorea elephantipes(ディオスコレア・エレファンティペス/和名:亀甲竜)
・Agave mix(アガベいろいろ)
・Mammillaria(マミラリア/和名:松霞)
の、10種類注文しました!



マミラリアは頂き物で、ちょっと齧ってみましたが、美味しかったです!酸味と甘味がいいバランスでした!(個人的な感想です!)
マミラリアの果実って島唐辛子に似てますよね…。
②種の下準備



タネだけの方は2.を読んでね。




1.マミラリアは果実の状態なので、種を取り出します(果実を持っている人の場合)。
これが思った以上に細かい作業でした!種がとてもとても小さい!目の細かいザルがあると便利だと思います!(茶漉しぐらいの目の細かさがベストかな…。)自分の家にはなかったので、種が流れないように細心の注意注意して洗いました!果実部分をよく洗い流しておかないと、カビの原因になるので根気よく洗い流します。やっぱザル必要だった….。




2.種を8時間〜12時間ほど水に浸します。
水に浸すことによって、タネが「発芽の時期やなっ!」って発芽スイッチがはいるらしいです。冷蔵保存しとくのもこのスイッチをいれやすくするためなんですね。なので冷蔵保存したものは2段階認証なんですね。
③土の準備
8時間待つ間に土の準備します!




3センチ程度(使用する鉢の半分強くらい。)いつも使ってる土をいれます。
その上に種まき用の土をかぶせます!
((追記)アガベの種子をまく場合は、種まき用の土を厚めにしたほうがいいです!、育苗トレーもおおすすめ!)
あとは、熱湯を土にかけて終わり!熱で殺菌消毒しましょうってやつです!
あとで殺菌剤をまくので、個人的には熱湯掛けるのはしてもしなくても、どっちでもいいかなと思います!
ただですね、種まき用の土がなかなか手強くてフワフワなんですね、なのでタネをまくときには土が湿っていたほうが扱いやすいです。
どうせ湿らすんなら、熱湯かけちゃえ!ってことで熱湯かけてます。
※熱湯かける場合は土をよく冷ましてから種まきをしてください。



土を2種類用意するのは…?



種まき用の土…発芽したての芽の根っこはとても繊細なので、柔らかい土(種まき用の土)で根が強くなるまで育てます。
普段使用の土…1~2年は植え替えないつもりなので、普段使いの土で大きく育ってもらいます。
…とゆうすんぽうです!!
④タネまき
まず、タネをまく前におさえておきたいことがあります!タネの性質には2種類あって好光性種子(こうこうせいしゅし)と
嫌光性種子(けんこうせいしゅし)とがあります。読みにくい名前です…。
読んで字のごとく、発芽に光が必要か、必要じゃないかってことかです。サボテン・多肉植物は、前者の好光性種子なのでタネをまいたあと土で覆いません!土の上に種をパラパラまいて終わりです!(窪みにおとしたり、土にさしたりでも発芽します。)
※好光性種子なのは全種類ではないそうです。ですが今回まいたタネは問題なく発芽したので、土を被せた方がいい種類もあるんだってことは頭の隅に留めておいたほうがいいかもしれません(追記)。
アガベと亀甲竜は土にさすかんじにして、他のタネはパラパラとまきました!




土にさす場合は、種の上下にきよつけたほうがいいです!
下(土にさすほう)は根っこになる部分が出でくるところです。芽(根)が出てくる部分は、若干ぽっこりしていて、みがつまっているかんじがします。
⑤ベンレートorホーマイで殺菌。
あとは、薬剤で殺菌して終わりになります!


はい!ベンレートですね!
これは小袋タイプで表面に、2,000倍希釈の場合、水1ℓにつき一袋と表記してあります!数字が弱い自分にも優しい!!
なので、用意すべきは1ℓが測れる容器です!(ペットボトルでもOK)
詳しくはベンレートの説明書を詳しく読んでほしいですが、簡単に言うと、容器に水入れてベンレート入れて混ぜればOKです!
希釈水を作ったら、腰水BOXの中に鉢(タネをまいた鉢)をセットします。希釈水をいっきに入れすぎるとタネが浮いてしまうので、いっきに入れすぎないように注意してください。1/3~1/4程度、鉢がつかればOKです!
残った希釈水は、カビが出た場合使うので、自分は保存しています。
※ベンレートは農薬なので、説明書はしかっり読まないといけないです。
希釈水を作った容器はベンレート専用にするか、破棄しましょう。



はい!無事タネまきまで終わりました!次からは日常管理についてです!
⑥腰水管理(日常管理)。



今回は、パターン1で実生をおこなうので、パターン1のみの説明です。
⑥については実生Vol.1【生育状況と日常管理編】
⑦については実生Vol.1【スクスク育ってる編】で詳しく書いています。
⑤ベンレートorホーマイ(殺菌剤)で殺菌。
⑥腰水管理。
⑦苗が大きくなってきたら、腰水卒業。ジョウロで水やりに変更。(置き場は朝の数時間日が当たる場所。水やりは、草花同様、乾き始めたらジョウロで頭からかける。)
⑥腰水管理。水が減っては足し減っては足しの繰り返し。
※⑥の時点で、通常の水やりをおこなうと、タネが流れてしまいます。また発芽したては、芽(根)が繊細なので倒れてしまい傷んでしまう可能性が大です!



腰水ってなんだったけ?



通常の水やりは、ジョウロなどを使って植物の頭から水をかけ給水しますが、
腰水とは鉢底から水を吸収させる方法です。
実生Vol.1種まき編はこれにて終了です!
文章だと「ちょっと面倒…」だってなったかもしれませんね…でもですね、発芽した時の感動はひとしおです!是非是非実生にチャレンジしてほしいです!成長状況は随時更新していきたいと思います。
実生をするきっかけになれれば幸いです!読んで頂きありがとうございました!
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